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信楽穴窯焼成/薪を焚き続ける(兎の窯)

2022/05/18
穴窯焼成中

穴窯焼成の様子をご紹介いたします。 穴窯は薪を焚き続けて焼成しますが、焼成の期間が長い(通常4日から6日程度)ので、窯番のシフトを作り交代で焚き続けます。 兎の窯では8時間交代のシフトで運用しています。 

 

燃やす薪については、地域により多少の違いはありますが、前半の窯の温度を上げていく過程では、雑木などのコスト的に優位な薪を使います。 地域の特性により仕入れが楽な薪材料があればそれらを使うことになります。 兎の窯では、ウイスキーの樽材などを有効活用しています(写真奥)。 そして焼成の中盤以降は、赤松の薪(写真手前)に絞り焼成していきます。 赤松は内部に油脂分を多く含み(松ヤニ)、火力が強く炎がよく伸びるからです。 同じ赤松でも重量の重いよく締まった薪が重宝され、窯の温度が1200℃を超えてくると質の良い薪を選んで焚いていくことになります。

 

薪投入のタイミングは、設置してある温度計を目安にします。 投入した薪が燃え尽きると温度計の表示値が下がるのでそれが合図です。 また基本的に還元焼成ですので、窯に開けた穴(色見穴)より還元炎が出ますので、それを目安にしてもわかります。 還元中は、黒煙を含む炎が上がりますが、薪が燃え尽きると還元炎が下がり、窯内が中性環境になってきます。 そこが薪投入のタイミングになります。

 

穴窯焼成は、焼き物作りの原点のような方法で焼いていきます。 昨今、ガスや灯油、電気の窯が主流になっていますが・・・実に心地よい窯焚きです。 一度ご経験されると病みつきになってしまいます。