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【備前のシンプルな湯呑】さいたま市の陶芸
2019/06/20
本日のブログ投稿は、「備前のシンプルな湯呑」のお話です。 朝霞市芸術の森の穴窯で焼いた備前土の湯呑ですが、備前焼の代名詞のように使われる「紫蘇色」や「胡麻」とか「桟切」などの景色のない湯呑です・・・要するにあまり条件の良くない場所で焼かれた湯呑とも言えますね(笑)。
穴窯で焼いているので、窯内のどの場所で、どのくらいの高さにセットされて焼かれたか? また炎にとって障害物があるのか?ないのか? で焼成結果は天と地ほど変わってしまうのです。
薪の炎の影響をダイレクトに受ける窯の形態なので、まあ空振りも多いわけです。
うまい具合に温度や灰かぶりの条件に恵まれた器は、俄然人気者になってしまいますし・・・反面シンプルに焼きあがった湯呑は、結構素っ気なく扱われたりしちゃいます。
写真の湯呑は、窯の奥まった中段部に置かれていて、なおかつ周囲を茶碗や湯呑などの器で囲まれていました。 ですので、口縁部にだけ辛うじて灰がかぶり、あっさりとし過ぎた焼成結果になってしまいました。
ただ、ロクロ挽きの時に胴の部分に気持ちほどの歪みを入れたり、口縁部を仕上げましたので、実際に使ってみると具合が良いです。 形や焼き肌が手に良く馴染み、口縁部も飲みやすい形でシットリとしていました。
こう考えてみると、目立つ焼き色や灰かぶりの模様は確かに重要な要素ではありますが・・・基本的な形がしっかりとできていないと湯呑としては不十分なのかもしれませんね。
器は使ってみないとわからない一面があるので、試行錯誤しながら進めて行きます。
ではでは ありがとうございました。