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火襷の出来る瞬間/ワラを巻いて焼成

2019/10/21
火襷の出来る瞬間

火襷(ひだすき)の模様が出来上がる瞬間をご紹介いたします。 火襷とは、備前土の素地に稲藁(いなわら)を巻いて焼成し、藁(ワラ)が燃える時に、その成分が付着して薄茶色の模様がつく焼成方法です。 元来は、器同士が焼成中に付着しないようにワラを巻いて焼成していたようですが・・・昨今では、その特徴的な模様が売りとなっている焼き物です。

 

写真は、火襷のワインカップを焼成している様子ですが、焼成直後で窯から取り出した瞬間です。 まだ稲藁の燃えかすがワインカップに付着していて、生々しい一コマですね。 稲藁は、1200℃の高温で焼いても、しっかりと最後まで燃えかすが付着して焼成を完了します。

 

少し専門的なお話になりますが・・・稲藁は植物の中でほぼ唯一その素性の中にガラス成分を含んでいる特殊な植物なのです。 通常の樹木を燃やすと灰になって、釉薬の原料にはなりますが・・・ただそれだけではガラス質の焼き物になることができないので・・・ガラス成分である長石や珪石を混ぜて焼成するのです。 一方で稲藁は、単体でシリカと言われるガラスの素になる成分を持っているので、粘土素地に巻きつけて焼成すると、特有の模様である火襷が生じる理屈ですね(笑)。

 

ワラの巻き方や量を調整すると火襷の模様をコントロールすることができます。

ビッシリ巻きつけると、前面が茶色になってしまうほど色がでます。 またワラをほんの1本だけ巻きつけても、1条のラインが表現できます。

使用する粘土は、白土であれば種類に関わらず火襷の模様をつけることが可能です。 ただ備前の土は良く焼き締り、水漏れなどが出ないので相性は抜群ですね。

 

さいたま市の「やまざ器」では、バリエーション豊かな火襷を焼くことができるので、ご興味のある方は、ご連絡くださいませ。 陶芸教室でご自身で焼くこともお薦めです。 チャレンジしてください。