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出来立ての茶碗で抹茶を飲む/楽焼体験フルコース/さいたま市やまざ器

2020/09/26
出来立て茶碗で抹茶

先日函館より楽焼体験フルコースに参加されたお客様の第二回目(楽窯焼成)が無事に完了しました。 このお客様は、抹茶と茶筅をご持参されていて、ご自身で作った出来立ての黒楽茶碗で早々に抹茶を味わっていました。 お疲れ様でした。 無事に黒楽茶碗が焼成できてほっとしました。

 

以下に黒楽茶碗焼成の様子など、ちょっとだけ突っ込んで書いてみます。ご興味のある方のご参考に。

 

今回の黒楽茶碗の釉薬は、加茂川石粉を単味で使っています。 楽焼の場合、比較的低火度で溶ける釉薬を使う場合(長石を混ぜる)が多いのですが、今回は、一番素朴で黒楽らしい方法で挑戦しました。 加茂川石粉は温度が1200℃を超えると綺麗に焼けるようになります。 ただ燃料となる炭の質の問題や天候条件(低気圧の影響)などで、結構目標温度の達成が難しい場合も出てきます。 今回は、最高温度が1206℃であまり上がりませんでしたが、1200℃近傍を保持できる時間が長かったので、良好に焼成できました。

 

黒楽は、窯内にサヤと呼ばれる容器(窯道具)を入れ、その中で焼成するのが基本です。 サヤに入れると、サヤ内の温度は安定しているので、溶けづらい加茂川石を綺麗に溶かすことができるからです。 サヤの外の温度を簡易的に熱電対で測っていますが、大切なのはサヤ内の温度と必要な熱量を確保することです。 ですので、時間をかけて焼成すれば、加茂川石は溶けますが・・・炭の残存寿命(約2時間)とのバランスになります。

 

楽焼特有の、真っ赤な茶碗を窯から取り出し、水の入ったバケツに突っ込む場面は有名ですが、ポイントが一つあります。 「躊躇せず・・・一気に水につける!」ことです。 様子をみながらゆっくり水に入れると・・・茶碗の内外の温度差(収縮量の差)で割れてしまいます。 

 

さてさて、このお客様は、出来立ての茶碗で抹茶を飲んでいました。

ご自身の満足度は高く・・・至福のお時間だったと思います。

ありがとうございました。