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茶碗を焼き直してみる/さいたま市

2019/08/25
雨雲再焼成

本日は、茶碗の焼き直しについて書いてみたいと思います。先日焼いた光悦の雨雲イメージの茶碗ですが、釉が薄めにしか乗っておらず、あっさりし過ぎた焼成結果だったので、それを再焼成したお話になります。手法は前回の焼成と同じで、加茂川石粉の単味で追加施釉し、楽窯に蓋付きのサヤを入れてその中で焼成します。ですのでポイントは加茂川石粉を、「どこに」「どの程度」乗せていくのか?と言うことになります。

 

光悦の雨雲をご存知の方も多いと思われますが、独特な釉がけの方法をとっています。

黒釉を筆で塗って施釉しているのですが、筆先のラインを残したまま黒釉がしっかりと乗っている部分と、釉を掻き落とし、もしくは無釉か拭き取ったような粘土素地の部分が残されていて、それらを絶妙にバランスさせて景色を作り出す方法です。

こういった表現は、光悦の先にもありませんし・・・後にもありませんので、光悦独特な表現方法だと思われます。

ですので釉がけと焼成結果を見ながら、焼き直しをしてレベルアップを図ろうと考えているのです。

 

焼き直しの焼成結果は、1回目より黒がしっかりと出て、落ち着きのある風合いが出てきました。

もう1回くらい焼き直して、細部を仕上げても良いかもしれませんね。

焼き物は、焼き直しが効くので・・・うまく実施すると良い仕上がりが期待できます。

光悦を含めた昔の名人たちが、焼き直しで茶碗を仕上げたか?はわかりませんが・・・焼き物を焼く以上、仕上がりの不十分な状態で焼き上がることも多々あるので、これらを再生、復活させる中で技術を磨いていったとしても、ごく当然の成り行きだと思います。

 

昔の書物を見ると、魯山人なども焼き直しで失敗作を見事な一品に仕上げ直しています。

まあ要するに、2度焼こうが、3度焼こうが・・・「焼き物の良さを如何に引き出してあげるか?」ということかもしれませんね。 そのアプローチや手法は何の制約もないので、自由に取り組める点が焼き物の可能性を広げてきたような気がします。

これからも、焼き物作りにチャレンジして行きたいものです。