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釉薬の溶ける瞬間/少し変わった黒楽茶碗の表情

2019/09/02
黒楽茶碗の表情

釉薬の溶ける瞬間を本日のブログ投稿にしたいと思います。かなりマニアックな内容なので、興味のある方はご確認くださいね。 →釉薬の溶ける瞬間を肉眼で確認できる楽窯焼成の一場面です。写真は俗に言う黒楽の焼成が完了した一コマですが・・・釉薬に用いる加茂川石粉(単味)は、筆塗りで数回に分けて、筆塗り→乾燥→筆塗り→乾燥を繰り返して行くと・・・際限なく厚く施釉することができます。 ただし一定の厚さになると・・・乾燥させている場面で亀裂(クラック)が釉層に発生してきます。 当然クラックを発生させないように接着剤成分を添加しての施釉もありですが・・・今回は、あえて加茂川石粉単味を厚く掛けた場合の焼成パターンになります。

 

焼成前の釉表面の状態は、割と大きなクラックが随所に発生しています。 その状態で気にせず楽窯に投入し、温度上昇させて行くのですが・・・劇的に釉が溶けるドラマは1200℃少し手前の温度域で発生します。

1160℃くらいから、釉のひび割れた部分がめくれ始めます。文字通り釉のチジレが始まります。厚くなった釉の層は、素地から剥がれてチリチリと溶け始めます。その際表面張力により小さくまとまって球状の塊が随所にできるのですね。 その球状の粒が、ある場所はまとまり、ある場所はそのままで・・・まるで生き物のようにアメーバのような変化を続けていきます。そのあたりが観察のクライマックスですね(笑)。

 

その状態で焼成を終了するのですが・・・楽窯特有の「引き出し」が効果を発揮するのですね。

釉薬が溶けて球状になった状態で引き出し、水冷却します。 すると当然その状態で固定されますので、写真のような表情で焼成が完了します。

水冷却でなく、窯内で自然冷却もOKですが・・・炭の残り火での還元焼成が引き続き行われますので、色はより茶系の色味になります。

 

まあ本来は、釉が十分に溶けて均一な焼き肌になるのが良しとされていますが・・・実際の窯の中ではドラマチックな現象が起こっていますので・・・そのあたりを今回の投稿のメインにしてみました。

今回もご確認ありがとうございました。