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楽茶碗作り/製作者の個性や性格
2022/07/29
2日間連続で来て頂いたご夫婦の楽茶碗作りの様子をご紹介いたします。 ご主人は経験者で楽焼や茶室にご興味があります。 奥様は、茶碗作りは初めてと言っていましたが、手先が器用なのか? 難なく茶碗の削りを終えていました。 以下、少し細かく楽茶碗作りの説明を入れながら書いてみます。
1日目は、粘土成形ですが、黒楽茶碗が目標なので赤土を使い「手捏ね(てづくね)」と言われる方法で形を作ります。 1kgの粘土玉を直径250mmの手ロクロにパンケーキのように広げていきます。 中央部は少し厚めに残し、削り高台用の余裕をとりながら、ロクロ一杯に広げます。 次にそのパンケーキを周囲から起こして、目指す茶碗の形に成形していきます。 成形のコツは、両手で茶碗を抱え込みながら形を仕上げていくところです。 茶碗のフォルムを決めるのが1日目の内容です。
1昼夜粘土を乾燥させると、ちょうど削りのし易い生乾きの状態になります。 2日目は、この素地に削りを入れ、茶碗の外観や高台の表情などを作っていきます。 楽茶碗作りで特徴的なのは、やはり削りの工程だと思います。 1kgのざっくりとした茶碗形状から、結局半分以下の重量まで駄肉を削ぎ落としていく工程です。 最初は、荒削りで勢いのあるヘラ使いで粘土を削ぎ落としていく感覚です。 その後、四方八方から茶碗を眺めて、少しづつ仕上げの削りを行います。
茶碗作りは非常に奥が深いのと同時に・・・製作者の個性や性格がはっきり出るのも茶碗作りです。 集中すると個性が表現されます。 お二人の茶碗の形はまるっきり違い・・・笑いの絶えない作業となりました。