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【穴窯の窯入れのご紹介】
2019/04/27
さいたま市で陶芸をしてます【やまざ器】です。 本日は、埼玉県朝霞市にある「丸沼芸術の森」の「穴窯の窯入れ」に立会いましたのでご紹介させていただきます。 都内の陶芸クラブが主催するイベントに参加できる機会を得たので、勉強を兼ねて参加させていただきました。近場に薪で炊ける貴重な窯があるので、ありがたいお話です。
穴窯と言うのは、近代的な電気窯を例にとると、まるっきり逆行した原始的な窯の構造をしています。
半地下(半地上)の傾斜地にレンガを積んでドーム型の形状をした単室の窯です。
薪を燃料にして、徐々に温度を上げ5日間ほど連続して燃やして焼成を完了させる伝統的な方法です。
何故こんな古来の方法で5日間もかけて焼成するのか? 答えは簡単です。
薪窯でしか味わえない焼成結果が待っているからです。
写真は、穴窯の奥行きに対しちょうど半分くらいの場所の窯詰めの様子です。
棚組みして作品を詰めて行きますが、穴窯の中での温度分布に差があることや、炎の通り道、灰の掛かり具合を考慮して作業が行われます。 粘土の種類や大物、小物の分類でも大別されて置かれています。
写真の下段にずらっと並んでいる「徳利」は、全て横倒しになっていますね。
そしてよく見ると貝殻(赤貝)の上に置かれています。
これは薪窯でよく使われる手法で、赤貝の模様が徳利の表面に転写されたり、貝のカルシウム分が焼成に影響されるのを利用しています。古人が考え出した方法ですが、ユニークですね。
薪窯(穴窯を含む)は焼成期間が長くなるので、チークワークでの作業が欠かせません。
また電気窯と違ってスイッチポンで、あとは待っていれば焼成が完了することも有りませんので、
そう言った意味でも人間味のある焼き方だと思います。
焼き上がるのが今から楽しみです。