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埼玉で陶芸のやまざ器が、鍋を作る?
2018/11/10
この一見、鍋のように見える物体は、楽窯での焼成時に使う「サヤ」です。やまざ器の楽窯は炭火をメインの火力として、プロパンを補助的に使って温度調整をしながら焼いています。窯の中は炭でいっぱいになるので、炭と茶碗の接触防止の為に窯の中にサヤを入れ、その中に茶碗を入れて焼成するのです。 要するにこの「サヤ」は焼成用の道具であり、窯の大きさや用途に合わせて道具土で自作しています。道具土なので耐火性は良いのですが、それでも何度も使っていると割れてくるので、タイミングをみて作り貯めします。 黒楽などは、加茂川石粉が1200℃近傍で安定して溶けるようにサヤに入れて、保温効果を期待して全体が均等に焼けるように調整しています。その後、サヤのフタを開けて茶碗を引き出し、炭化したり、水冷却して黒の色合いを調整します。 一方で、楽窯焼成でも「サヤ」を使わないで、直接炭火で焼き、窯変や自然釉の付着を期待して焼くこともあります。 どのような焼き上がりにするのか?によって、オプションが決まってくるのだと思います。 楽焼は、炭の炎と直接格闘することになるので相当に楽しめます。